J-RISQ地震速報とは

J-RISQ地震速報とは、地震発生直後に推定される情報を用いて、市区町村ごとの揺れの状況や、 一定レベル以上の揺れにどれくらいの人が遭遇した可能性があるかを示す震度遭遇人口、 周辺地域での過去の被害地震、将来の揺れの超過確率を考慮した地震ハザード情報 等を、 地図や表を用いて総合的に分かりやすくコンパクトにまとめたWeb サービスです。

本サービスを利用する際に注意して頂きたいこと

利用方法

PCでの利用

web image of J-RISQ Earthquake Quick Info

地域を指定しての利用

都道府県または市区町村を指定してJ-RISQ地震速報を表示することができます。

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地域指定の利用方法

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総務省:全国地方公共団体コードが割り振られている全国の都道府県及び市区町村を地域として選択することができます。
※ 市区町村の合併や編入などによる行政区の変更が本サービスに反映されるまで時間がかかる場合があります。

スマートフォンでの利用

スマートフォン(iPhone,Android)を利用してJ-RISQ 地震速報にアクセスすると、自動的にスマートフォン用のサイトが表示されます。

J-RISQ Report Smartphone Version

J-RISQ 地震速報の表示内容

J-RISQ地震速報作成処理の詳細

J-RISQシステムが、震度情報を受信してから地震速報を作成するまでの処理について説明します。

1. 報の生成

J-RISQシステム内で、震度情報を時間的にまとめる単位「報」の作成手順は以下の通り。

  1. 地震発生後、地震動が広がるにつれて、揺れを観測した地震計から震度データが時間的にばらばらに送信されてくる。
    以下の震度データを利用。
  2. 一定の時間範囲に、受信した計測震度2.5以上の観測点数が閾値(3点)を超過した場合、J-RISQシステムは報作成状態に遷移し(「トリガー」と呼ぶ)、 推定可能な報から計測震度分布推定・震度遭遇人口推定処理を開始する。
  3. 推定処理中にも、受信した震度データに対して、一定時間ごとに報を作成して蓄積する。
  4. 推定処理が終わり次第、蓄積した報の中で最新の報についてまた推定処理を開始する。

発表時刻

解析・集計処理が終了した時刻を表示する。過去に起こった地震については、J-RISQ地震速報システムが動作していたとしたら表示されたであろう時刻を表示する。

最終報

トリガー後、10分経過するとその時点で受信した全てのデータを用いて最後の推定を行い、「最終報」として配信する。 このとき、新しく震度データを受信してトリガーしている場合は最終報を作成せず、新しい地震の推定を行う。

2. 地震情報

報と関連すると思われる気象庁速報震源の情報を掲載する。

3. 「震度の分布」地図の作成

観測された震度データから、以下の方法で空間的に補間した震度分布を推定し、地図に描画する。

入力出力
  • 報の観測震度データ
  • 表層地盤増幅率データ
    • 平成27年12月14日までの地震
      • J-SHIS250mメッシュ表層地盤増幅率(V2)
    • 平成27年12月15日以降の地震
      • J-SHIS250mメッシュ表層地盤増幅率(V3)
250mメッシュ推定震度分布データ

算出方法

  1. 藤本・翠川(2005)による計測震度(I)と地表最大速度(PGV)との関係式を用いて、計測震度を地表最大速度に変換する。
    equation of Fujimoto and Midorikawa (2005) ... (1)
  2. 求めた地表最大速度から地表での増幅率(AF)を除することで、工学的基盤最大速度(PBV)を求める。
  3. 観測点直下の工学的基盤の最大速度(PBV)から、以下の方法で250mメッシュに空間補間する。
  4. 増幅率を乗じて地表最大速度を推定し、再び式(1)を用いて、震度の面的分布を算出する。

地図の範囲作成基準

4. 「主要都市の推定震度」表の作成

主要な都市の観測震度と推定震度頻度分布を、最大観測震度と人口を考慮して表に掲載する。

入力
  • 人口データ
    • 平成27年12月14日までの地震
      • 平成17年度国勢調査人口データ(夜間人口)
      • 平成18年度事業所統計・国勢調査リンクデータ(昼間人口)
    • 平成27年12月15日以降の地震
      • 平成22年国勢調査に関する地域メッシュ統計(夜間人口)
      • 平成22年国勢調査、平成21年経済センサス‐基礎調査等のリンクによる地域メッシュ統計(昼間人口)

    ※報開始時刻が9:00:00-18:59:59の場合は昼間人口、それ以外は夜間人口を利用する(列ヘッダに表示)

  • 行政区域データ
    • 平成26年5月7日までの地震
      • 平成20年度国土数値情報行政区域データ
    • 平成27年12月14日までの地震
      • 平成25年度国土数値情報行政区域データ
    • 平成27年12月15日以降の地震
      • 平成27年度国土数値情報行政区域データ

掲載基準

  1. 計測震度が2.5以上の震度観測点を含む市区町村を抽出する。
    ※政令指定都市の区、23特別区は個別の市区町村として扱う。
  2. 観測計測震度が最大の市区町村、及び震度7を観測した市区町村をリストに加える。
  3. 人口が、各市区町村内の観測震度階毎の人口基準を上回る市区町村をリストに加える。
  4. リストが25行を超えたら、観測計測震度が大きいほうから25番目までの市区町村でリストを作成する。
  5. 人口基準テーブルを一段ずらして同じ操作を繰り返す。6回目までいったら終了してリストを作成する。
  6. 人口は有効数字二桁に四捨五入する。
  7. 震央距離は気象庁震央位置から市区町村の代表地点(市役所等の位置)までの距離を1km単位に四捨五入して掲載する。
  8. 市区町村内の最大観測計測震度値の順に上から並べて表に掲載する。
    ※地域指定を利用した場合は、観測計測震度に関わらず指定した市区町村の情報を一行目に掲載する。
表:人口基準テーブル
震度
3以上 4以上 5弱以上 5弱以上 5強以上 6弱以上 6強以上
1回目 500000 500000 500000 500000 200000 100000 50000
2回目 500000 500000 500000 200000 100000 50000 20000
3回目 200000 200000 200000 100000 50000 20000 10000
4回目 100000 100000 100000 50000 20000 10000 5000
5回目 50000 50000 50000 20000 10000 5000 2000
6回目 20000 20000 20000 10000 5000 2000 1000

推定震度頻度分布の作成方法

  1. 推定震度分布データから、ある行政区域に含まれるある震度階の250mメッシュ数を抽出する。複数の行政区域にまたがるメッシュの数は、面積比で按分する。
  2. 行政区域に含まれる全250mメッシュ数で除し、5%単位に切り上げて表示する。

250mメッシュ人口データの作成方法

入力出力
平成17年度国勢調査人口データ(夜間人口)
平成18年度事業所統計・国勢調査リンクデータ(昼間人口)
※全て500mメッシュ人口データ
平成17年度250mメッシュ夜間人口データ
平成18年度250mメッシュ昼間人口データ
平成22年国勢調査に関する地域メッシュ統計(夜間人口)
平成22年国勢調査、平成21年経済センサス‐基礎調査等のリンクによる地域メッシュ統計(昼間人口)
※全て500mメッシュ人口データ
平成22年度250mメッシュ夜間人口データ
平成21年度250mメッシュ昼間人口データ
  1. 500mメッシュを4分割して250mメッシュにする。
  2. 陸域のない250mメッシュは削除する。
  3. 500mメッシュの人口データを残った250mメッシュに等分配する。割り切れない場合はどれかのメッシュに割り当てる。

5. 「行政区毎の震度遭遇人口」地図・表の作成

各震度階級の揺れに遭遇した人口を、行政区毎に表に掲載する。

入力出力
  • 250mメッシュ推定震度分布データ
  • 250mメッシュ夜間人口データ
  • 250mメッシュ昼間人口データ
行政区単位の震度遭遇人口データ
  1. ある計測震度以上の250mメッシュを抽出する。
  2. その250mメッシュに含まれる震度遭遇人口を抽出する。
  3. 行政区毎に震度遭遇人口を合計する。複数の行政区域にまたがるメッシュの人口は、面積比で按分する。

震度遭遇人口テーブルの掲載基準

入力
行政区単位の震度遭遇人口データ
  1. スコア=推定震度5弱以上の震度遭遇人口+
         推定震度5強以上の震度遭遇人口*5+
         推定震度6弱以上の震度遭遇人口*25+
         推定震度6強以上の震度遭遇人口*125
    を計算する。
  2. スコアが大きいほうから25番目までの行政区を掲載する。
    ※地域指定を利用した場合は、震度遭遇人口に関わらず指定した行政区の情報を一行目に掲載する。
  3. 表の震度遭遇人口値は、以下のように丸めて掲載する。
  4. 全国、都道府県の人口値は、各市町村の即値を合計してから丸めた値。

6. 「この地域で起こった過去の主な被害地震」表の作成

震源付近において、過去に起こった主な被害地震の規模と被害について、理科年表Web版(国立天文台)から転載する。

掲載の基準

7. 「J-SHISから公表している地震ハザード情報」地図の作成

「震度の分布」地図で表示した範囲における地震ハザード情報地図をJ-SHISから転載する。出典を記載していない地図は、2012年版地震ハザード評価(モデル1)の地図である。

用語説明

リアルタイム地震被害推定システム( J-RISQ「ジェイリスク」)
地震発生直後に全国に設置された強震計(強い揺れを測ることのできる地震計)等で観測される揺れの情報と、表層地盤の揺れやすさのデータや人口・建 物に関する情報等を用いて即時に被害状況を推定することを目指し、開発を進めているシステムです。
強震計
非常に強い地面の揺れまで振り切れることなく計測が可能な地震計であり、震度計などがこの仲間に含まれます。 防災科研では、二つの強震観測網(K-NETおよびKiK-net)を設置・運用しています。
K-NET
K-NET(Kyoshin Net:全国強震観測網)は防災科研が運用する全国を約20km 間隔で均質に覆う1,000 箇所以上の強震観測施設からなる強震観測網であり、 1996 年(平成8 年)6 月から運用を開始しています。 地震被害に直接結びつく地表の強震動を均質な観測条件で記録するために、 各観測施設は、一部の例外を除き統一した規格で建設され、自由地盤上(地表)に強震計が設置されています。 震度情報ネットワークの一部に組み入れられており、観測された震度は気象庁に送られ、 国や自治体の適切な初動体制の確立等に活用されるほか、テレビ等で地震直後に報道されます。 また、蓄積された強震記録はデータベース化され、地震防災等の様々な実務や研究に役立てることができます。
KiK-net
KiK-net(Kiban-Kyoshin Network:基盤強震観測網)は、 全国にわたる総合的な地震防災対策を推進するために、政府の地震調査研究推進本部が推進している「地震に関する基盤的調査観測計画」の一環として、 防災科研が高感度地震観測網(Hi-net)と共に整備した強震観測網です。KiK-netの観測施設は、全国約700 箇所に配置され、 各観測施設には観測用の井戸(観測井)が掘削されており、地表と地中(井戸底)の2 箇所に強震計が設置されているのが特徴です。
震度遭遇人口
一定レベル以上の震度にどれくらいの人が遭遇した可能性があるかを、 揺れの情報と人口分布の情報を組み合わせることで推定した人口情報です。 震度曝露人口と言われる場合もあります。 J-RISQ 地震速報では、地震の発生時刻を考慮して、昼間人口と夜間人口を使い分けて推定しています。 なお、人口データにつきましては、平成17 年国勢調査及び平成18 年事業所・企業統計調査結果に基づいているもので、 現在の人口分布と異なることに注意して下さい。
将来の揺れの超過確率
地震の発生確率とは違い、着目する地点において、その地点に影響を与える全て地震を考慮して、 一定期間内に少なくとも一回地震動の強さがあるレベルを超える確率のことです。 地図で表す場合、地震動の強さを指定して超過確率を表示させる場合と、 逆に超過確率を指定して対応する地震動の強さを表示させる場合があります。
地震ハザード情報
ある地点に対して影響を及ぼす全ての地震を考慮して、その地点が大きな地震動に見舞われる危険度を評価した情報です。 地震ハザード情報は、地点ごとにハザードカーブとして得られます。 地点ごとに評価された地震ハザードをまとめることにより、地図として表現することも可能です。 地震ハザード評価においては、地震の発生および各地点の揺れの予測に含まれる不確定性の評価が重要です。
J-SHIS
防災科研が開発・運用を行っている地震ハザードステーションの名前です。 地震調査研究推進本部地震調査委員会が作成した「全国地震動予測地図」を、 ウェブ上でわかりやすく閲覧することができます。 また、より専門的なデータの利活用が可能なよう地震動予測地図のデータや計算に用いた断層モデル、 地盤モデル等をダウンロードすることも可能です。

謝辞

本研究の一部は、総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 「レジリエントな防災・減災機能の強化」(管理法人:JST)によって実施されました。

J-RISQ地震速報で用いている地方公共団体と気象庁の震度データにつきまして は、気象庁より提供して頂いているものです。記して感謝致します。